振動刺激(痙縮抑制法)


川平和美名誉教授が提唱している促通反復療法は脳の可塑性を利用したリハビリとなり、脳はやったことしか覚えないため、「誤りなき学習」を適切に行う必要があります。

その為、随意運動が実現しなければいけません。

 

それには脳卒中片麻痺の後遺症である痙縮(筋が固く緊張する)は大いなる阻害因子です。川平和美名誉教授が提唱している促通反復療法をおこなう前に痙縮を落とし、他動的な可動範囲を確保する必要があります。

 

それには以下の方法があります。

 

〇キュラリア・リリース法(上肢)
空気圧を利用して筋肉に圧を加え続けます。

約10~15分おこないます。

圧を加え続けられた筋肉は持続的に伸張されることになります。

筋肉は持続的伸張により自動的に弛緩するという反射を持っています。

この反射を利用して、痙縮筋を緩めます。

この方法の良い点は、比較的弱い圧を持続的加えられるところです。

そして圧は均等に、比較的長い時間持続することが可能です。

セラピストの手では、とても持続できません。

圧の強さは、45~55㎜Hgで、身体に安全な強さになっています。

 

 

 

アームリリース

 上肢の筋の痙縮を抑制します。

 特に上腕二頭筋、 手関節屈筋群、手指屈筋に効果があります。

 

〇振動療法

痙縮筋は振動により一過性に抑制されることが知られています。

痙縮筋を伸展位にして(引き伸ばして)少し圧迫するようにしてマッサージ器のヘッドを当てます。はじめは反射が出現して、痙縮筋はかえって収縮して硬くなります。筋が縮まないように保持したまま当て続けると、緊張が弱まってきます。早かったら30秒、長くかかっても数分あれば緊張が低下し、緊張低下の持続時間は約30分ほどです。

緊張が低下している間に、促通反復療法をおこないます。